空調設備のダクトと配管は何が違う?チャンバーボックスって何?ダクト工の基礎知識を解説!  

皆さん、こんにちは。神奈川県横浜市を拠点に、ダクト工事や冷媒配管工事、保温工事などの空調設備工事を手掛けている株式会社エア・キャリアです。


弊社が施工を手掛けているダクトは、どのような建物にも必要不可欠な設備です。ダクトは一見ただの管ですが、実際は材質や構造などにさまざまな工夫が凝らされており、快適な空気環境の実現に役立っています。


そのため、ダクト工として働く時は、まずダクトの特徴についてよく理解しておくことが大切です。そこで今回は、ダクトに関する基礎知識をご紹介します。




■ダクトと配管は何が違うの?


未経験者の方は、ダクト工事と聞いて「配管工事のこと?」と考える場合もあると思われます。ダクトと配管は性質の近い設備であり、混同されることもあるのですが、実際は別物です。では、一体何が違うのでしょうか?


簡単にいうと、ダクトとは「気体」を運ぶ管のことです。主に空調や換気、排煙などを目的として設置され、丸ダクト・角ダクト・フレキシブルダクトといった種類があります。ダクトの種類については以下の記事をご覧ください。


https://www.air-carr.jp/blog/column/160076


一方、配管とは「液体」や「ガス」を運ぶ管のことです。空調設備の冷媒配管やドレン配管、ガス管などが該当します。小麦粉などの「粉体」や、錠剤などの「粒体」を運ぶ配管もあります。


最初のうちは、図面を見てもダクトと配管の区別がつかないかもしれませんが、知識を身につければ見分けることは可能です。ちなみに、配管を収納するための配管化粧カバーを「配管化粧ダクト」と呼ぶこともあります。この場合は気体を流すわけではなく、単純に配管を保護したり見栄えをよくしたりするために設置されます。




■空調設備の重要なパーツ「チャンバー」とは?


ダクトを始めとする空調設備は、さまざまな部材を組み合わせて作られています。その中でも、特に重要な役割を果たしている部材の1つが「チャンバー」です。チャンバーの役割や構造・仕組みを確認しておきましょう。



・チャンバーの役割

一般的な空調設備は、外気を取り込んで室内に給気を行い、室内の空気を屋外に排気しています。しかし、屋外の空気環境というのは常に一定ではありません。暑い日は空気も熱くなり、寒い日には空気も冷たくなります。そして風が強い日もあれば、雨が降っていて湿度が高い日もあるでしょう。


そういった空気を何の対策もなしに取り込むと、そのままの状態でダクト内を通り、各部屋に運ばれてしまいます。熱い空気や冷たい空気、湿った空気や強風などが、そのまま供給されてしまうのです。こういった「給気のムラ」が生じていては、空調設備を常に正常稼働させるのは不可能で、快適な空気環境を維持することができません。


そのようなトラブルを防ぐために使われるのがチャンバーです。給気システムにおけるチャンバーは、外から取り込んだ空気の温度・湿度・風量などを安定させる役割を果たしています。チャンバーを通すことで、屋内に供給される空気の質や量は一定に保たれ、快適な空気環境を維持できるというわけです。


また、ダクトの中を勢いよく空気が流れてくると、騒音が発生してしまいます。それを防ぐための「消音機能」を備えたチャンバーもあります。チャンバーは、快適な室内環境を作るために必要不可欠な部材といえるでしょう。



・チャンバーの構造と仕組み

一般的なチャンバーは、五面体や六面体といった箱の形をしており、「チャンバーボックス」と呼ばれています。素材は亜鉛メッキやガルバリウムといった鋼板が一般的です。内側には、消音や保温を目的としたグラスウールが貼られています。


チャンバーボックスが主に設置されるのは、ダクトの分岐点や合流地点です。サイズはダクトよりも少し大きく、設備全体を見渡すとチャンバー部分が膨らんで見えます。この膨らんだ空間+内部のグラスウールの効果によって、入ってきた空気の温度差や勢い、騒音などを緩和し、分岐先へと流すという仕組みです。


なお、大型のチャンバーボックスだとそのまま運搬するのが難しいため、バラしたパネルの状態で運搬され、現場で組み立てる場合もあります。このタイプのチャンバーを「パネルチャンバー」といいます。


また、ボックスといっても、すべてのパーツが必ず箱の中に収まっているわけではありません。モーターなどの熱を発生させるパーツは、箱の中に収納せず外付けにしている場合もあります。


その他にも、チャンバーやダクトには多種多様な形状や材質があり、現場の環境に合わせたものを設置することが重要です。どのくらいの給気や排気が必要なのかによって、ダクトやチャンバーのサイズや形状も変わってきます。


たとえば、多くの熱が発生する飲食店の厨房では、発生する熱量に応じて排気ダクトのサイズを決めます。排気と給気はバランスが取れていなければなりませんから、先に排気ダクトのサイズが決まれば、それをもとにして給気ダクトのサイズを決めるのが原則です。


そして、給気と排気の風量が決まれば、チャンバーボックスのサイズや形状もそれに合わせて選ぶことになります。ダクトもチャンバーボックスも、適当に設置すればいいわけではなく、明確な根拠に基づいて設計・設置することが大切です。



・チャンバーも定期清掃や交換が必須!



チャンバーを扱う上で忘れてはならないのが、チャンバーもダクトと同じように定期清掃や交換が必要だということです。使用しているうちに、チャンバーの内部には汚れが堆積し、カビや悪臭が発生することもあります。また、チャンバーボックス内部に貼られたグラスウールが劣化すれば、剥がれた繊維が各部屋に流れてしまうでしょう。


このような汚染された空気が供給されれば、室内の空気環境が悪化するだけでなく、健康被害にもつながるおそれがあります。それを防ぐための定期点検・清掃や交換も、私たちダクト工事業者の大切な仕事です。エア・キャリアでは、お客様と継続的にお付き合いさせていただき、必要に応じて清掃や交換の提案を行っています。




■ダクト工事はここが面白い!



ダクト工事の面白さは、よくパズルに例えられます。ダクトは主に天井付近、もしくは天井や壁の内部に設置されますが、そこにはダクトの行く手を阻むさまざまな障害物があります。ダクトはそれらをすり抜けるようにして、時にはまっすぐ・時には曲げて設置する必要があり、ダクト自体も状況に合わせて製造・加工しなければなりません。


また、ダクトは高層ビル・商業施設・学校・病院・工場など、多くの建物で必要とされます。建物の構造やダクトに求められる機能は現場ごとに異なり、まったく同じ現場は1つとしてありません。毎回毎回、最適なダクトを設計し正しく設置するのは、とても高度な技術を要求される仕事です。


だからこそ、ダクトがピタッとはまった時は大きな達成感を味わえますし、現場ごとに異なる面白さを楽しめます。難題をクリアするごとにノウハウが蓄積され、自分自身の着実な成長を感じられるのがこの仕事の魅力です。誰もが知っているような有名建造物の工事に携わる機会もあります。ダクトは決して目立つ設備ではありませんが、ダクト工事はとてもやりがいのある仕事といえるでしょう。



以上のように、ダクト工事はとても奥が深いものです。どのパーツも明確な意図をもって設計・設置されており、設置作業でもさまざまな点に配慮する必要があります。ものづくりに興味のある方や、社会を支える仕事をしてみたい方には、とてもおすすめできる仕事です。皆さんもダクト工事に挑戦してみませんか?


エア・キャリアでは、ダクト工事のプロフェッショナルとして、お客様のニーズに合わせた最適なダクトを提案・施工している会社です。空調工事や冷媒配管工事も承っており、快適な環境づくりに貢献しています。現在、ダクト工事や空調工事、冷媒配管工事に関心があり、スタッフとして働いていただける方を募集しております。


弊社は技術力や経験だけでなく、お客様とのコミュニケーションやチームワークを大切にする社風の会社です。教育体制が充実していて資格取得支援制度もあるため、未経験者でも安心して働けます。もちろん、経験者や有資格者は優遇し、ふさわしい待遇でお迎えします。


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